東日本橋で焼肉を食べる場合は、ランチ、ディナー、テイクアウトのいずれかになります。数年前に感染症の流行があったことで、外出が難しかった時期もあり、東日本橋の焼肉店でもお客様の減少や営業時間の短縮から、テイクアウトを導入した店が増えました。店にもよりますが、テイクアウトという販売形態をこれまで実施していなかったために、提供しているメニューのおいしさを広く伝えられずに、経営状態の厳しかった店がこの機会に一気にお客様を獲得したケースもあったようです。
広く営業活動を行うには経費が必要になるため、そこまで手がまわらなかった店もあったのでしょう。しかし、お得に食べられるテイクアウトを導入すると、消費者も気軽に「食べてみようかな」と思えます。お値段のこともありますが、テイクアウトはコンビニにお弁当を買いにいくような感覚で買い物ができるため、ハードルが低いことも広がりを見せた理由といえるでしょう。例えば、ランチで東日本橋の焼肉店に入ろうとしても、入ったことのないお店に入るのは勇気がいりますし、少し不安もあります。座席に座れば注文をしないという選択はほとんどないため、何か食べなければならなくなります。余程親しい人が「あの店は本当に安くておいしいよ」「お値段は普通だけど、今まで食べた牛肉の中で一番のおいしさだった」というような安心できる口コミがなければ、なかなか足を踏み入れることはできないからです。
それもネット上で見た口コミではなく、実際に行った人の信頼できる口コミでなければ安心して出向くことができないという人が多いことでしょう。ファストフードのように価格が安価ではないため、一般的にはそう思ってしまうのも当然のことなのです。そのため、店頭で販売しているテイクアウトはその業態を行うだけで、お客様が感じている敷居を低くすることにつながり、実際に食べてみることにつながったのだと思われます。
また、テイクアウトであるため、店内の座席を使いませんし、食器なども使用しません。スタッフがこまめに様子を見にいかなくてもいいので、経費そのものが掛かっていません。原材料と調理する人や販売する人の人件費、フードパックくらいのものです。経費が掛からない分、価格を抑えて販売できるため、店の前を通り過ぎるときに「ちょっと買ってみよう」と思えます。タイミング悪く食事をした後だったとしても、「あの店もテイクアウトをしているなら今度買ってみよう」というきっかけ作りにつながるのです。
東日本橋の焼肉店はこのようにテイクアウトをきっかけとしてこれまで利用していなかったお客様を獲得したと思われます。その結果、営業時間の短縮や外出が難しいなどの理由がなくなった現在、そのときのお客様が実際にお店に来店して食事をしています。テイクアウトで東日本橋の焼肉店のおいしさを知ったことが、最終的にはランチやディナーのお客様を増やすことになりました。テイクアウトと比べるとディナーはお高い印象がどうしてもありますが、まずは記念日やちょっとしたご褒美の際に利用しているようです。
このような話は東日本橋の焼肉店以外でも起きています。テイクアウトをきっかけに新しくお気に入りの店を見つけたという人は多く、現在は外食する際の候補に入っているとのこと。「テイクアウトがなければ立ち寄らなかったと思います」という回答も多いので、何がきっかけとなったり、営業活動につながったりするのかは分からないものです。実際に食事にいく消費者側にとっても、新しい店を開拓することは楽しいので、双方にメリットがあったといえるでしょう。このタイミングで人気店となった焼肉店は連日大賑わいでとても忙しくなっていると聞きます。